乳酸菌とノロウイルス~発熱日数の短縮~

冬になると流行することが多いノロウイルス。10月頃から流行するようになり、ピークは12月から1月頃です。しかし、ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は一年中起きる可能性があります。

ノロウイルスの特徴

ノロウイルスは他のウイルスなどと比べて小さく、人の小腸粘膜で増殖するウイルスで、感染力がとても強いのが特徴です。ウイルスの数が100個以下と少ない場合でも感染や発症してしまいます。
高温や酸、乾燥にも強く、液体の中でも長い時間生きていることができます。

また、ノロウイルスへの感染は年齢に関係なくみられます。健康な人であれば軽症で済みますが、抵抗力が弱い乳幼児や高齢者は症状が重くなりやすいため注意が必要になります。

ノロウイルスは感染性胃腸炎・食中毒を起こす

【感染性胃腸炎】

ウイルスや細菌などによる感染症です。ウイルスが原因の胃腸炎が多く、感染性胃腸炎の原因で最も多いのがノロウイルスと言われています。

【食中毒】

食中毒を引き起こす細菌やウイルスなどがついた食べ物を口にすることで起こります。食中毒というと暑い時期に起こるイメージがあるかもしれませんが、それは細菌による食中毒で6月~9月に起きます。
しかし、ウイルスによる食中毒は冬に起きます。平成26年の年間の食中毒患者数の半分以上をノロウイルスによる食中毒患者が占めています。感染すると集団で発生する可能性が高いのがノロウイルスによる食中毒と言えます。

どうやって感染するの?

ノロウイルスへの感染は、ウイルスがついた食品を食べて感染する【食品媒介感染】、汚物の処理が適切でなかったり排便後の手洗いが十分でなかったために手指にウイルスがついたり、ドアノブなどを介してウイルスがついた手指から感染する【接触感染】、汚物の処理が適切でないためにウイルスが空気中に飛び散って口から入ることで感染する【飛沫感染】があります。

食品媒介感染だけではなくノロウイルスに感染した人の手指や調理中に器具や食品にウイルスがつくことで起きる二次感染が増加しているようです。

ノロウイルスに感染後の症状

感染してから発症するまでの期間は、1日~2日とされています。ただし、感染後に必ず発症するわけではありませんし、軽い症状で済むこともあります。

嘔吐、下痢、腹痛、発熱などの症状が1~2日続きますが、後遺症はありません。

予防法

まず、十分な手洗いを行うことが大切です。親指の周りや爪、指先、しわは手洗いが不十分になりやすいのでしっかり洗いましょう。ノロウイルスはとても小さいので、しわにも入り込みやすいです。

また、直接食品を扱うような作業を行う方は、感染の疑いがあるような下痢や嘔吐などの症状がある場合には、作業を行わないようにしましょう。

さらに、汚物を適切に処理するようにして感染を拡大させないように気をつけましょう。

乳酸菌とノロウイルス

乳酸菌を摂取していることでノロウイルスに対する影響について発表している論文があります。

介護老人保健施設において乳酸菌飲料を摂取する人と摂取しない人に分け、試験を行いました。その結果、ノロウイルスによる感染性胃腸炎にかかる割合に有意な差は認められませんでした。
しかし、ノロウイルスによる感染性胃腸炎にかかり、37℃以上および38℃以上の発熱日数に違いが見られました。乳酸菌飲料を摂取している群では、37℃以上の発熱日数が有意に短縮され、38℃以上の発熱日数についても短縮傾向が認められました。

介護老人保健 施設における Lactobacillus casei シロタ株を含有するプロバイオティクス発酵乳の継続飲用による感染 性胃腸炎集団発生時の発熱反応に及ぼす影響
山田 俊彦、 永田 智、近藤 成美、辺 蕾、王 崇新、朝原 崇、太田 俊久、 野本 康二、山城雄一郎

乳酸菌飲料を飲むことでノロウイルスの予防はできていませんが、発熱の症状がみられる期間が短くて済んでいます。もし感染してしまっても、症状が軽減されることが期待できそうですね。

なんといってもノロウイルス対策には、十分な手洗いが欠かせませんので、しっかりと手を洗う習慣を身につけ、洗い残しがないかなど洗い方にも気をつけてみてください。